築地市場は11ある東京都中央卸売市場の一つで、1935年から2018年まで83年間に亘って東京の食を支えてきました。
築地市場は青果や鳥卵なども扱っていましたが、水産物の取扱量が日本最大で、海外の旅行ガイドで“Tsukiji fish market”と呼ばれたように魚市場として特に有名でした。しかし、老朽化が進んだため新設された豊洲市場へ役目を譲り、10月6日を最後に営業を終了しました。
築地市場の中でとりわけ人気のあったのが冷凍マグロの競りを間近に見ることができるマグロ卸売場の見学でした。このマグロ卸売場の見学も市場の移転が近づき、9月15日を最後に終了ということになりました。
そんなマグロ卸売場の見学に最終日に参加しました。
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前日の午後11時過ぎ、隅田川にかかる勝鬨橋から見た築地市場。深夜ですが慌ただしくトラックが動いています。
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東京,中央区
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市場の移転が近づき、深夜に見学の定員がいっぱいになることもあったとの情報を得て前日ですが築地市場へ向かいます。
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雨の中ですが見学受付のおさかな普及センター横の勝どき門にはすでに見学希望者の列ができていました。すでに長い列ですが定員の120人はいないようだったので並びます。
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0時になり、受付が開始します。なお本来の受付開始時刻は5時です。
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受付のおさかな普及センターへ入り無事受付できました。受付すると注意事項などが書かれた用紙とビブスを渡され、ビブスが見学者であることの証明になります。
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列に並んでいる全員が受付した時点ではまだ定員まで余裕がありましたが、0時半ごろには定員の120人に達して受付が終了しました。最後に受付した人は自然と起きた拍手に迎えられました。
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受付順に2グループに分けられ、見学時間が決められます。前半のグループに入ったので見学は5時40分からです。
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あと5時間待機します。待合所のおさかな普及センターは壁に少しだけ掲示があるだけですが、外出は基本的には許されず、ここで待たなければなりません。
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見学時間が近づいた午前5時半ごろ、いよいよ卸売場へ移動します。
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おさかな普及センターを出るとすっかり明るくなっていました。
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警備員の誘導の元、列になって卸売場へ移動します。
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このあたりは水産仲卸売場です。
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多数のターレが忙しなく行き交う中進んでいきます。当然ながらターレの通行が優先でぼんやりしていると轢かれてしまいそうです。
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通常は立入禁止になっている水産卸売場へ入っていきます。
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いよいよマグロ卸売場です。
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入っていきます。
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冷凍マグロの卸売場です。見学は端に設けられた見学エリアからします。
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これから競りにかけられる冷凍マグロが並んでいます。
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競りを前に仲卸業者が値踏みしています。
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仲卸業者はマグロにのせられた尾の断面を見てマグロの品質を確認します。
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だんだん仲卸業者が増えてきました。
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冷凍マグロを吟味する仲卸業者。
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6時になり、売り手の鳴らす鐘の音とともに競りが開始します。
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しばらく鐘の音が響きます。
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買い手の仲卸業者は“手やり”と呼ばれる指のサインで値段を示します。
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次々と冷凍マグロが競り落とされていきます。
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売り手は一瞬で“手やり”を見定め、1本につき数秒もかからずに落札されていきます。
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広い卸売場では数か所で同時に競りが進みます。
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競りは思いの外淡々と進んでいきます。
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まだ競りは続いていますが、6時05分になり見学時間が終わります。
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再び警備員に導かれ、今度は反対側の出口から出ます。
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水産卸売場と水産仲卸売場の間の通路です。たくさんのターレが行き交います。
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仲卸業者の店舗が並びます。
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冷凍マグロを解体していました。
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解体された冷凍マグロ。
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水産卸売場を後にします。
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外に出ても慌ただしくターレが行き交っています。
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冷凍マグロが運ばれていました。
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交通を避けつつしばらく市場の中を進んでいきます。
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発泡スチロールが山積みにされていました。
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海幸橋門のそばでビブスが回収され、ここで見学は終了します。
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せっかくなので海幸橋門のそばにある魚がし横丁へ入っていきます。
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魚がし横丁は飲食店や物販店が並ぶ築地市場の一角です。
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一番奥に佇むのは有名な吉野家の1号店です。
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吉野家は1899年に日本橋にあった魚河岸で開店し、1923年には市場とともに築地へ移転しました。この場所では1959年から営業しています。
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とても狭い店舗ですがコの字型のカウンターはまさしく吉野家です。
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吉野家の牛丼。
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この吉野家も築地市場の閉場とともに閉店します。
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魚がし横丁は吉野家がある1号館以外にも奥に4号館から9号館が並びます。
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商品がトラックに積み込まれていきます。
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海幸橋門から築地市場の外へ出ます。
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競りの見学自体は本当に短い時間でしたがとても貴重な経験で、深夜から待った甲斐がありました。